いやー驚きました。『代替医療のトリック』について書いたら、1日のアクセス数が10倍以上になりました。ちょっと恐いくらいです。

前回の記事で、偽鍼の設定に関する疑問を書きましたが、そこをちょっと補足したいと思います。

RCTで、「経穴(ツボ)に鍼を深く刺す方法」を真の鍼として、「経穴(ツボ)からずれた場所に鍼を浅く刺す方法」偽の鍼と設定することに関して、私は「日本で行っている治療を考慮すると釈然としない」というような書き方をしました。
しかし、「日本で行っている治療だから」というだけでは、説得力がありません。科学的な根拠を交えて、補足してみたいと思います。

『代替医療のトリック』で書かれていない鍼の効果の根拠となる理論に体性内臓(自律神経)反射というものがあります。

体性内臓(自律神経)反射とは何か?

例を挙げると、皮膚へ寒冷刺激を与えると、皮膚血管支配の交感神経活動が亢進して皮膚血管が収縮し、体熱の放散を防ぎます。これは体温調節反射と呼ばれ、体性内臓(自律神経)反射のひとつです。

鍼治療の根拠となる体性内臓(自律神経)反射については「体性-自律神経反射の生理学」という本で詳しく書かれていますが、皮膚への侵害刺激や触圧刺激により、胃腸系・膀胱・循環系・汗腺・子宮・内分泌系などで様々な反応が起ることが、ヒトへの実験や動物を使った実験により分かっています。

「皮膚への侵害刺激や触圧刺激が自律神経(内臓)の活動に変化を与える」ことを踏まえると、欧州のRCTで偽鍼とした「浅い鍼」は十分に身体に変化を与える治療となり得ますね。

偽鍼として伸縮鍼を使う場合についても書かれていましたが、伸縮鍼でも皮膚に対する圧刺激は発生してしまい、浅い鍼と同じく自律神経活動に変化が起こり得るので、偽鍼としては不合格です。

というわけで、偽鍼のセッティングには問題が残るということについて納得頂けたでしょうか?

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