前の投稿で報告しましたが、昨日2月28日(日曜日)の福島県鍼灸師会青年部講習会で「介護予防のすすめ」というタイトルで少し話をさせていただきました。

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内容は、昨年11月から1月の間に合計31.5時間かけて仙台で受講した介護予防運動指導員養成講座で学んだことをダイジェストにしてまとめたものでしたが、うまく伝えたいことを伝えることができませんでした。もっとしっかり準備しないと伝わらないことが分かり、勉強になりました。
このモヤモヤを晴らすため、ブログ上で整理してお伝えしたいと思います。

介護予防の目的は、「高齢者が要介護状態になることをできる限り防ぐこと」と、「要介護状態になっても状態がそれ以上に悪化しないようにすること」です。この介護予防の考え方は、2006年の介護保険制度の制度改革の中で「新予防給付の創設」「地域支援事業の創設」という形で取り込まれています。

我々鍼灸師が介護予防運動指導員の資格を持った場合にできる事は、
「新予防給付」の領域ではなく、「地域支援事業」の領域での活動です。
地域支援事業は、大きく二つに分けて、一般高齢者施策と特定高齢者施策があります。
一般高齢者施策とは、一般の(元気な)高齢者を対象に介護予防の普及・啓発を行うものです。
特定高齢者施策とは、特定高齢者(自立と判定された中で要支援・要介護となる可能性の高い虚弱高齢者)を対象に運動機能向上・栄養改善・口腔機能改善などを実施するものです。(例:筋力アップ教室、転倒予防教室など)

他県で既に介護予防運動指導員の資格を取得した鍼灸師の中には、自治体から運動機能向上を目的とする教室(筋力アップ教室など)での指導を任されて、地域の高齢者の運動指導にあたっている先生もいらっしゃいます。

介護予防のための地域支援事業の特定高齢者施策について、全国でどのように行われているのか、インターネットで少し調べてみましたが、まだ活発に活動しているような情報はあまり多く見つけられません。介護に関する国・県・市町村の予算は、既に介護を受けている高齢者にいかに効率的に手厚いサービスを提供するかという点に力を入れているものの、まだ介護が必要ない高齢者の介護予防には、多く割振れないのが現状なのかもしれません。

地域支援事業における介護予防のシステムは、

行政が高齢者の状態を把握
⇒特定高齢者(虚弱高齢者、要支援・要介護になる可能性の高い高齢者)を見つける
⇒行政が特定高齢者に対して、介護予防のために「○○運動教室」に通ってみませんか?と働きかける
⇒「○○運動教室」に集まった高齢者の方々に対して、介護予防運動指導員が運動の指導を行う

という流れで進むように作られていますが、まだこのシステムはきちんと働いていないようです。

「介護が必要になる前の予防」より「介護を必要としている方々への手厚い支援」が優先されるのは当然のことですので、鍼灸師が介護予防運動指導員の資格を取得して、行政と連携し介護予防の運動教室で活動できるのはいつになるのか、今のところ見当が付きません。

しかし、鍼灸師が介護予防の活動を行うことは、必ずしも行政と一緒でなければできないものでありません。介護予防運動指導員の資格を取得している者は、介護予防に関する専門的な知識・技能を修得しているので、特定高齢者に対し安全で効果的な運動を指導することが可能です。患者さんや地域の高齢者の方々に声をかけて、運動指導を行うことも立派な介護予防です。行政が行うように特定高齢者を選択的に集めることはできませんが、特定高齢者でなくても、将来介護を受けないためのトレーニング方法を学ぶことは(介護前予防とでも呼べばいいでしょうか?)、これもまた価値のある活動だと思います。

私たち鍼灸師は、鍼灸治療の専門家であることは勿論ですが、他に地域の方々の健康に貢献できるものがあれば、積極的に取り入れるべきだと思います。(実際に可能かどうかの検討は勿論必要ですが)
介護予防という考え方と活動はまだ一般的に浸透しているものではありませんが、必ず地域の方々の役に立てるものだという確信があります。私は是非介護予防を通じて地域の方々の健康のお手伝いをしていきたいと考えています。

※1月始めに受けた介護予防運動指導員の合否結果がまだ届いていません。既に受かったつもりで介護予防の運動教室を準備しているのですが、もし落ちていたら大声で笑ってください。

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