今日、母の友人が言っていたそうです。

「ハリ治療って、こんな長いハリ刺すんだよねー。怖くてハリ治療なんて治療受けられないわよねー。」

人さし指と親指で10cmくらいの長さを示しながら言っていたらしいです。

おそらくTVなどで見たのでしょう。普通はそんなに長いハリは使いません。10cmのハリもありますが、通常は4~5cmのハリを使います。刺す深さは、各先生によって治療方法が異なるので一概に言えませんが、数ミリから2cmくらいが殆どです。私もTVで長いハリを使う治療を見たことがありますが、長いほうがインパクトがあるので、わざわざ長いものを使ったのでしょう。

やはり、鍼(ハリ)治療を受けたことがない人は怖いようですね。そこで、今日は、鍼治療が痛くないメカニズムについて紹介します。

今日紹介するのは、ゲートコントロール説といい、1965年にMelzackとWallの2人により提唱された学説です。この学説の細かい部分は、うまく説明できないので割愛します。

簡単に言うと、

触圧刺激(触れたり圧迫すること)を皮膚に与えながら、侵害刺激(体を傷をつけるような刺激、例えばハリで刺すなど)を与えると、痛みを感じにくくなる

ということです。これは誰もが経験していることです。ぶつけたところをさすったりなでたりすると少し痛みが軽くなります。これを説明しているのが、ゲートコントロール説です。

痛い感覚よりも、触ったり押したりした感覚を、体は優先するようですね。都合よく出来ているものだと感心します。

ハリ治療は、この学説が提唱された1965年よりずっと昔から行われていますが、経験的にこのことを分かっていたのでしょう。ハリを刺す際に、前揉捻、押手、後揉捻といって皮膚を押さえ触圧刺激を与え、痛みを出さない技術が受け継がれています。

ハリ治療が痛くないことは、科学的な学説が証明しています。痛いのが心配でハリ治療を受けたことがない方は、安心して受けてみてはいかがでしょうか。