鍼灸の診療には様々な準備があります。その一つが日々更新される医学の情報を更新することです。

今は「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」を読んでいます。3年前に改定されたものなので、だいぶ遅くなってしまいました。反省です。

今年1年間の診療を振り返って思い出した症例に、めまいや頭痛を主訴に来院されたある患者さんが、その後病院の診察で脳腫瘍だったという事がありました。当院を受診される前に複数の医療機関をすでに受診されていて、その時点では重篤な疾患ではなく肩こりに由来する症状と診断されており、当院でももちろん脳腫瘍などを示唆するレッドフラッグは確認できませんでした。

医療機関を受診された上で鍼灸院を受診しても、中には重篤な疾患が隠れている場合があります。鍼灸師が鑑別診断のためにできることは限られているとはいえ、問診・診察においても最善を尽くしておかねばという基本の再確認を呼び起こされる出来事でした。

さて「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」ですが、これは鍼灸治療のガイドラインではありません。医師が診療を行う際のものです。各疾患の最新情報を得るには格好のテキストです。頭痛を専門に扱う学会雑誌などにはもっと先端の情報があると思いますが(そこまで読むのは物理的に無理なので)、プライマリ・ケア向けの情報でとりあえず十分だと考えています。

ガイドラインでは、危険な頭痛を見分けるサインを確認することは第一です。過去に「有効な見分け方」とされていた方法が、新たな検討により有効でなくなるということもあるので注意です。また、ガイドラインには、まだ全貌が明らかになっていない病気の新たな情報も書いてあるので、鍼灸適応である片頭痛や緊張型頭痛で治療方法の改善につながるヒントが得られるかもしれません。