膝痛

膝痛の疾患は非常に沢山あります。ここでは鍼灸院に比較的多く来院される膝疾患を取り上げて、それらの鍼灸治療を解説します。

  • 1 変形性膝関節症
  • 2 棚障害
  • 3 靭帯損傷(ごく軽微なものに限る)
  • 4 スポーツによる膝痛
    • 腸脛靭帯炎(ランナーズ・ニー、ランナー膝)
  • 5 その他の膝痛(症例紹介)

1 変形性膝関節症

1-1 変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は高齢者に多い膝痛の原因です。正座痛、階段昇降痛、立ち上がり時の痛み、動作開始時(歩き始めなど)の痛みを生じ、膝に水が溜まって腫れることも少なくありません。長期になると正座ができなくなったり、内反変形(O脚)も多くみられます。

1-2 変形性膝関節症の鍼灸治療

《初期の場合》

変形性膝関節症の初期は、できるだけ早く治療を始めることが重要です。腫れたままの期間が長い人ほど、正座ができなくなるケースが多く、短い期間で腫れが引いた場合は、膝が曲がりにくくなならずに治ることが多いです。

《慢性の場合》

変形性膝関節症が長期になると、変形と関節拘縮が進みます。正座ができなくなり、見た目にも内反変形(O脚)がわかるようになります。この状態であっても、鍼灸は痛みの緩和に効果的です。

2 タナ障害

2-1 タナ障害とは

関節は、滑膜という袋状の組織で包まれています。滑膜は部位によってヒダ状の形をとり、それが関節の骨と骨の間に挟まり「滑膜ヒダ障害」を生じて痛みを引き起こすことがあります。

膝関節の膝蓋骨(お皿)と大腿骨の間で滑膜ヒダが挟まれると、タナ障害となります。痛みの場所はお皿の内縁です。膝の屈伸で痛みが出ることが多いです。

2-2 タナ障害の鍼灸治療

インターネットで「タナ障害」を検索すると、内視鏡でタナの存在を確認したり、手術で切除するようなケースが出てきますが、鍼灸院ではそこまで重篤なケースは多くないと感じます。ほとんどの場合は数回の鍼灸治療で痛みがなくなります。再発しても数回の治療で良くなります。

タナ障害は高齢の方に多いです。大雪の後は特に多くなります。雪道を滑らないように歩くと、余計な力が入って、タナに負担がかかるのでしょう。

3 靭帯損傷

靭帯損傷とは、靭帯の部分断裂や完全断裂のことを言いますが、鍼灸治療で対象となるのは、関節の不安定性が生じない軽度のものです。

治療では、傷めている靭帯の圧痛点で鍼通電を行うことが多いです。治療直後に明らかに痛みが軽くなることもよく経験します。

4 腸脛靭帯炎

腸脛靭帯とは、股関節の外側から膝の外側までつながる長い靭帯です。繰り返す膝の屈伸動作で腸脛靭帯と大腿骨外側顆(膝外側の骨)に摩擦が生じて、この靭帯に炎症が生じたものが腸脛靭帯炎です。長距離ランナーに多いことからランナーズ・二ーやランナー膝と呼ばれることもあります。

症状は、膝外側の痛みです。痛みの強いケースでは、単に膝を屈曲伸展するのも困難になることがあります。

治療は「炎症部位の回復を促すこと」と「腸脛靭帯の緊張を強める大殿筋と大腿筋膜張筋を柔らかくすること」を考えて行います。もちろん走るのはしばらく中止してもらいます。

5 その他の膝痛(症例紹介)

上記で紹介した膝痛以外も鍼灸で対応できます。具体的な症例で御覧ください。

5-1 スポーツで捻った膝の痛み(半月板)

  • 40代男性。1ヶ月前にサッカーで膝を捻り、直後より膝から下腿の腫れが1週間以上続いた。受診時、腫れは良くなったが、歩行と膝の屈曲で痛みがある。一番困っているのは、日常生活で正座ができなくなったこと。
  • 診察では、膝を直角くらいに曲げると痛みがあり、半月板の疼痛誘発テストで痛みが再現された。外側半月板に由来する膝痛と考えて治療を行った。
  • 約1ヶ月間で6回の治療を行った。途中、半月板だけでなくタナ障害と思われる痛みも生じたがため、これに対しても治療を行った。長時間正座できるようになった時点で治療終了した。

5-2 外傷後の関節水腫

  • 80代女性。3ヶ月前に転倒し様々な部位を打撲。その数日後から膝が腫れ、痛みと不安定感(力が入りにくい)が続いている。
  • 診察では、関節水腫があり、大腿部の筋萎縮が見られた。
  • 鍼灸治療に加えて、大腿四頭筋の筋力トレーニングを指導。治療5回で痛み・腫れ・不安定感がほぼ消失し、その後はメンテナンスに移行した。

5-3 膝蓋上滑液包炎

  • 40代女性。一昨日から膝に違和感を感じ始め、昨日から痛みに変化。痛みのためしゃがめない。地面に足をつけずに膝を曲げても痛い。自転車運転時も痛みを感じる。
  • 大腿直筋が膝蓋骨に停止する位置の内外側に圧痛著明。膝蓋上滑液包炎と考えて治療。1回の治療でほぼ痛みが消失した。

5-4 オスグッド・シュラッター病

  • 男子高校生。部活を引退後に体育のバスケで膝痛を発症。バスケのプレー中のほか、立ち座りの際にも痛みがある。
  • 診察すると、膝蓋腱と脛骨粗面の付着部位に圧痛があり、オスグッド・シュラッター病と考えて治療を行った。
  • 鍼通電と知熱灸を併用して週1回のペースで治療を行い、5回の治療で痛みを感じなくなり治療終了。
  • 今回は超軽度のオスグッド・シュラッター病のため鍼灸で効果があった。現役選手は重症例が多く、腱内部の石灰化等もあるため鍼灸では改善が難しい。腱内部に石灰化が生じている場合は、治癒には数ヶ月単位の休養が必要と言われている。

 

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