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ストレートネックの原因はスマホだけじゃない|鍼灸師が解説

ストレートネックの根本原因
imaizumi

ストレートネックとは

ストレートネックとは、頸椎(首の骨)が真っすぐになっている状態のことで、様々な症状の原因になると考えられています。

首こり、肩こり、めまい、頭痛、耳鳴り、眼精疲労など、ストレートネックが関わる症状や病気には様々なものがあります。

ストレートネックは、正式な医学用語ではありません。しかし、整形外科で頸椎のレントゲン写真をもとに「ストレートネック」と指摘する医師も多く、「医学的に問題のある状態」と認識されているようです。

最近は「スマホ首」という別名でも呼ばれており、顔を下へ向けてスマートフォンを長時間視聴していることが原因という意見もあります。

パソコンを長時間使うデスクワークや、長時間の不良姿勢も問題視されています。

ストレートネックの原因

①よく言われる原因

ストレートネックの原因で、最近多く指摘されているのはスマートフォンです。「スマホ首」という呼び名もあります。

長時間スマートフォンを操作・視聴していると、顔が下向きのまま長時間過ごすことになります。頸椎の自然なカーブが伸びて、真っすぐになります。頭部の重さを首の筋肉で支え続けるため、筋肉が固まってしまいます。

硬い筋肉のせいで、頸椎が元の自然なカーブに戻りにくくなり、スマホを使っていないときでも常に真っすぐのままの頸椎となって、「ストレートネック」となります。

原因は、スマートフォンだけでなく、長時間のパソコン、長時間のデスクワーク、猫背や巻き肩などの不良姿勢も原因として指摘されています。

②はりきゅう今泉治療院が考える根本原因

上の「①よく言われる原因」で書いたように、多くの専門家が指摘するストレートネックの原因は、「首・肩・背中など、上半身の上の方」です。

はりきゅう今泉治療院も上半身の上の方の原因を否定はしません。しかし、「根本原因は股関節にある」と分析しています。

なお、「根本原因は股関節」といっても、「股関節の開脚」は関係ありません。多くの方が股関節と聞くと「開脚」を思い浮かべますが、ストレートネックに開脚は関係ありません。

前からぶつかられたとき、どのように姿勢を保つか?

ストレートネックには「無意識に転倒を防ぐ動き」が関係しています。

「前からぶつかられた時の姿勢を保つ動き」
↑分かりやすくするため、ちょっと極端な例でストレートネックの根本原因をご説明します。

まず、立っているときの「重心」の位置を確認します。

重心とは「重さの中心」です。人間が真っすぐ立っていれば、だいたいお臍の奥あたりが重心になります。

立っているときの重心は、お臍の奥あたり

重心から真下に直線を引くと、直線はつま先と踵の間のどこかを通ります。やや踵寄りを通る人が多いと思います。

重心から真下へ引いた線が、つま先より前に通ると前に転んでしまいます。踵より後ろを通ると後ろに転んでしまいます。

重心から真下に直線を引くと、直線はつま先と踵の間を通る

あなたは今立っています。前から急に何かがぶつかってきました。

体は後ろへ傾きつつあります。急速に重心が踵の方へ動いています。

前から急に何かがぶつかると、吸息に重心が踵の方へ動く

ここで股関節が働きます。

【前に凸の「く」の字】に股関節が動き、なんとか後ろへの転倒を回避できました。

股関節を前に凸の「く」の字に動かして転倒を回避

股関節の動き(前に凸の「く」の字)によって、腹・腰・お尻の重い部位を前方に残し、重心が後へ移動するのを防いで、後への転倒を回避することができました。

重い部位(腹・腰・お尻)を前に残して、重心が後ろに下がるのを防ぎ、転倒を回避

ストレートネックの人は、股関節をスムーズに動かせない

実は、頑固なストレートネックの人は、上で見せた動きを上手に行うことができません。股関節を【前が凸の「く」の字】に動かすことが苦手なのです。

腰を反らす動きを行ってもらうと、股関節をあまり動すことができず、代わりに膝を曲げることが多いです。

股関節を前に凸の「く」の字に動かせないので、膝を曲げて転ばないように耐えようとする

膝を曲げることで後への転倒を防ごうとすると、

上半身が後へ移動し、後側が重くなってしまい、重心が後へ下がって転んでしまいます。

(※写真は分かりやすいように少し大げさな姿勢をとっているのですが、実際に転びそうになりました。)

頭・胸・背中が後ろの方へ下がって、重心が後ろへ下がってしまい、転倒を防げない

頭部を前に突き出して、後への転倒を防ぐ

【股関節を前に凸の「く」の字】の動きがスムーズに行えないので、困りました。後ろへ転びそうなときどうしたらよいのでしょうか?

頭部を前に突き出すと、重心が少し前にずれます。

踵から重心が離れて、少し後方へ倒れにくくなります。

頭部を前に突き出すと、体の重心がわずかに前へずれる。重心が踵から離れて後ろに転びにくい

股関節の動きが悪いため、「万が一後ろへ倒れそうな瞬間」は、安全に対処することができません。

あらかじめ頭部を前に突き出すことで、前もって安全側に回避しておく作戦です。

※「作戦」といっても、体が危険回避のため本能的に行う作戦です。本人は全く自覚していません。

これがストレートネックの根本原因です。

ゆるやかに湾曲する頸椎と、ストレートネック

各種専門家によるストレートネックの改善法・予防法は、ほとんどが「上半身のエクササイズ」や「上半身の姿勢の注意」です。

「ちょと首がこったかな」という軽いストレートネックなら、上半身のみで改善するかもしれませんが、「ストレートネックのせいで困っている」という重度のストレートネックの人は、上半身のみでは、なかなか改善しません。

はりきゅう今泉治療院では、股関節周囲の筋肉の機能に着目して、ストレートネックの施術を行っています。

「ストレートネックによる症状がなかなか良くならない」とお困りの方は、一度はりきゅう今泉治療院のハリ治療をお試しください。

なお、下記ページでは、当院で行うストレートネックに対する針灸治療を解説していますので、ご覧ください。

はりきゅう今泉治療院の【ストレートネックに対する針灸】
はりきゅう今泉治療院の【ストレートネックに対する針灸】

引き続き、針灸について知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

この記事を書いた人
今泉洋平
今泉洋平
はりきゅう今泉治療院 院長
1979年生れ。腰痛と椎間板ヘルニアをセルフケアで克服した経験を持っています。秋田大学工学資源学部卒業後、国際メディカルテクノロジー専門学校で鍼灸師の国家資格を取得、2009年はりきゅう今泉治療院を開業しました。患者さんのプライバシーを守りながら、痛みの少ないやさしい鍼灸治療を提供し、疲労・姿勢・老化への独自のアプローチでハリの効果を高めています。また、鍼灸妊活セミナーや美容鍼体験ワークショップなど、鍼治療の普及活動にも積極的に取り組んでいます。
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