はりきゅう今泉治療院の【顔面神経麻痺の針灸】
はりきゅう今泉治療院 院長の今泉洋平です。
このページでは、顔面神経麻痺に対する針治療を解説します。
「顔面神経麻痺の症状で困っている」
「顔面神経麻痺の治療法を探している」
「顔面神経麻痺に針灸を試してみたい」
という方は、ぜひご覧ください。
この記事を読んで「顔面神経麻痺に対する針治療についてよくわかった!」と納得できた方は、ぜひ予約してハリを受けてみてください。
顔面神経麻痺について
末梢性と中枢性
顔面神経麻痺の原因には、脳以外の末梢の顔面神経の病気等による末梢性と、脳卒中など中枢神経の病気で生じる中枢性があります。
このページで説明するのは「末梢性顔面神経麻痺」です。
ベル麻痺とハント症候群
末梢性顔面神経麻痺の原因は多岐にわたります。
ここではベル(Bell)麻痺とハント(Hunt)症候群の2種類をご説明します。
ベル麻痺
末梢性顔面神経麻痺の60%~70%がベル麻痺です。自然治癒は約70%、早期にステロイド治療を受けると約95%が治癒する予後良好な疾患です。
ベル麻痺の多くは、単純ヘルペスウイルスⅠ型の再活性化によって生じます。
単純ヘルペスウイルスⅠ型の再活性化
単純ヘルペスウイルスⅠ型は、小児期に感染して口内炎を引き起こし、その後体内で潜伏します。
種々のストレスによって再活性化して炎症を引き起こします。顔面神経の通り道で炎症が起こると、顔面神経を圧迫して麻痺を生じさせます。
ハント症候群
末梢性顔面神経麻痺の10%~15%がハント症候群です。ベル麻痺と比べて症状が重く、治癒率50~70%と不良です。
治療開始の時期で治癒しやすさが変わり、治療開始が遅いほど改善しにくいです。麻痺が重度であるほど改善しにくいことも分かっています。
ハント症候群は、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化により引き起こされる顔面神経麻痺です。
多くの場合、子供の頃に水ぼうそうとして感染して、体内に潜伏していたウイルスが、再活性化して顔面神経麻痺を引き起こします。
症状は、顔面神経麻痺だけでなく、耳や口~喉の中の帯状疱疹、難聴・耳鳴り・めまいも引き起こします。中には、帯状疱疹や聴覚・めまいの症状を伴わないケースもあります。
ベル麻痺の重症例や予後不良例の中には、ハント症候群が混じっていることが分かっています。ハント症候群特有の皮膚症状や聴覚症状などが現れないものがあるようです。
ハント症候群は後遺症が残るケースが多く、治療開始が遅れるほど改善しにくいため、顔面神経麻痺が起こったら、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。
顔面神経麻痺の針治療
ガイドラインにおける針治療の位置づけ
日本では、顔面神経麻痺の治療やリハビリを行う際の基本となるガイドラインがあります。針治療は、顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版(日本顔面神経学会編)において、
- 顔面神経麻痺患者へ顔面神経麻痺治癒のため、急性期に鍼治療を行うことを弱く推奨する
- 後遺症が出現した慢性期の顔面神経麻痺患者に対し、鍼治療を行うことを弱く推奨する
と述べられています。
2011年版のガイドラインでは鍼治療は「推奨しない」とされていましたが、その後、針治療の効果に関する報告が増え、新たに「弱く推奨する」と変わりました。
顔面神経麻痺診療ガイドラインは、顔面神経麻痺の診断と治療に関する専門家の知見や最新の研究成果をもとに作成された指針です。
このガイドラインは、最適な治療やリハビリテーションを提供するための標準的な手順や推奨される治療方法を示しています。
顔面神経麻痺に対する鍼治療の効果
顔面神経麻痺に対して針灸では、以下の効果が期待されています。
- 表情筋の血行促進
- 神経の回復促進
- 後遺症に対する拘縮軽減
また、痛み(※)や首肩背中のコリなども併発することが多く、痛みやコリに対してもハリ治療はとても効果的です。
※顔面神経麻痺は神経痛ではありませんが、動きにくさによる表情筋の疲労等で、痛みを感じることがあります。
ベル麻痺とハント症候群では施術効果が異なる
ベル麻痺は予後良好、ハント症候群は予後不良な顔面神経麻痺であることは、上ですでに書いた通りです。
針治療の施術効果も、ベル麻痺は効果が出やすく、ハント症候群は効果が出にくいケースが多いです。
顔面神経麻痺に対する針治療の方法
施術手順は、仰向け置針→うつ伏せ置針の順序で行います。
※置鍼:針を施してそのまま一定時間置く方法
仰向けでは、表情筋や顔面神経の通り道のツボを使います。
表情筋や顔面神経の血流を促して、麻痺の治癒促進や拘縮の予防・改善を図ります。
また、患部から離れた手のツボなども併用することも多いです。
うつ伏せでは、首の後側、肩甲骨、背中のツボを使って施術することが多いです。
顔面神経麻痺の患者さんは、首肩などのコリを併発することも多いので、うつ伏せの施術でコリ改善を図ります。
また、首の後側は、顔面神経の通り道に近いツボもあり、顔面神経の内部の血流を増やして、麻痺の回復を促進すると考えています。
針治療の頻度と期間
施術頻度
顔面神経麻痺に対する針治療の頻度は、週1~2回です。
施術期間
施術の期間は、施術効果の表れ方によって異なります。
顔の動きで顔面神経麻痺の重症度・改善度をみる「柳原法」で施術効果を評価し、1か月ごとに「針治療の効果が出ているか・出ていないか」を判断します。麻痺の改善が続いているうちは、治療継続をおすすめしています。
どんなに短期間でも、1か月間は施術を続ける必要があるでしょう。
顔面神経麻痺に対するおすすめメニュー
はりきゅう今泉治療院では、顔面神経麻痺に対して下記メニューをおすすめしています。
初回:初診65分5,300円
2回目以降:ハリ50分4,200円
これらのメニューは軽い症状向けですが、顔面神経麻痺では通電等の時間や手間のかかる施術は行わないので、初回は65分、2回目以降は50分で大丈夫です。
施術例紹介
2週間前、顔の動きが悪いことに気づき、病院(神経内科)を受診。ヘルペス(帯状疱疹)が原因の顔面神経麻痺と診断。神経伝達速度から重症ではないとのこと。抗ヘルペス薬を飲み始めて顔の動きは少し改善。残っている顔の動きにくさを改善したいと考えて、当院を受診。なお、顔面神経麻痺の少し前から、皮疹(帯状疱疹)が生じてかゆみを感じていたとのこと。
柳原法(顔の麻痺を評価する方法)で確認したところ、40点中32点で軽症。鍼治療を3回行ったところ、11日後には40点中39点まで改善したため、施術終了。
一般に帯状疱疹を原因とする顔面神経麻痺(ラムゼイハント症候群)は重症で治癒が難しいとされている。この方の場合、病院受診時に既に帯状疱疹が数か所に表れており、顔面神経麻痺の早期に抗ヘルペスウイルス薬を服用始めたことが良かったのでしょう。
※「顔面神経麻痺」ではありませんが、同じような症状の方の参考になればと考えて、ご紹介します。
約20年前から、顔の左上部に動かしにくさ・こわばりを感じている。
過去に数回、脳神経外科を受診したが、検査をして異常なし。薬を処方されて服用したが効果がなかった。
針治療で症状が改善するのではないかと期待してご来院。
ご本人は顔面神経麻痺ではないかとのこと。
過去に病院を受診して検査等で異常なしということから、顔面神経麻痺ではないと考えられるが、原因は不明。
試しに症状を感じている部位の筋肉に対してハリ治療を行ってみることにした。
施術後に症状が大きく改善。顔の動かしにくさ・こわばりは、施術前の3割程度。施術効果に満足されている様子だった。
- 郡山市久留米5-111-34
- 郡山駅の南西4km/郡山市役所の南2.7km/郡山警察署の西1.9km/五百淵公園の南西1.1km
- 月水木金土 8時30分~13時/14時~21時
- 日曜日 8時30分~13時/14時~19時
- 休診 火曜日
ここまで顔面神経麻痺で困っている方に向けて、針灸治療について解説しました。
このページを読んで「顔面神経麻痺の針治療についてよく分かった」という方は、ぜひ予約してハリ治療を利用してみてください。
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