鍼灸は、肩こりや腰痛だけの治療法というイメージを持っていませんか?
実は、様々な部位の症状に対して鍼灸は対応できます。
目次
運動器系|腰痛、膝痛など筋肉や関節に由来する症状
運動器系の症状とは、主に筋肉や関節の痛みや神経痛等の症状で、病院では整形外科を選択するような種類の症状です。
鍼灸を利用する方の約8割が運動器系の症状であるという調査結果があります。
当院でも、半数を超える方が運動器系の症状で来院されています。
鍼灸で「対応できる・できない」の見極め
運動器系の症状は多くの場合、鍼灸で施術可能です。
骨折、重度の靭帯断裂、重度の筋断裂といった重症の方は病院を受診して下さい。
患者さん自身で判断が難しいときもありますが、「鍼灸で対応できる・できない」という見極めは、鍼灸師が行えますのでご安心下さい。
具体的な運動器系の症状
【痛み】
腰痛、肩痛、腕・手のしびれ、首痛、肘痛、手首の痛み、手指の痛み、背中の痛み、股関節の痛み、太ももの痛み、膝痛、すね・ふくらはぎの痛み、足裏の痛み等
【しびれ】
腕から手のしびれ、太ももから足のしびれ等
【その他】
力が入らない、動かしにくい等
スポーツ傷害
スポーツ傷害も鍼灸を活用することで、改善を促進、症状緩和、予防などが期待できます。
頭部・顔面部の症状
頭痛(緊張型頭痛、片頭痛)、顔面神経麻痺、仮性三叉神経痛、突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、顎関節症、眼精疲労などは、鍼灸で施術可能です。
これらの症状では、鍼灸院より先に病院を受診するのが自然かと思われます。
病院を受診した上で「症状を緩和したい」「他に方法はないか探している」という場合は、鍼灸もご検討下さい。
なお、難聴に対する施術は、当院で力を入れている分野です。
消化器系の症状
鍼灸は、内臓を動かす自律神経に作用して、胃腸の働きを調節する効果があります。この作用を利用して、消化器系の症状を鍼灸で治療しています。
食欲不振や便秘はよく相談を受けます。過敏性腸症候群による下痢も施術することがあります。一過性のものはよく効く手応えがあり、慢性のものは期間をかけてじっくり治療しています。
また、感染症による胃腸の症状は、当然鍼灸の守備範囲外です。
女性特有の症状|産科・婦人科系
女性特有の症状にも鍼灸で対応できるものがあります。
月経困難症、更年期の症状、逆子、つわり、妊娠中・出産後の腰痛や手のしびれと痛みなどが、鍼灸で対応できます。
また、不妊症に関しては当院で力を入れている分野です。
泌尿器系の症状
高齢の方に多い過活動性膀胱による頻尿(排尿回数が多い症状)、前立腺肥大の方の寒さなどの刺激による尿閉(排尿がストップする症状)に鍼治療が有効という報告があります。
また、当院では男性不妊は力を入れている分野です。
鍼灸による精液検査の精子濃度・運動率の改善や、性機能改善の作用が分かっています。
その他の症状
他にも鍼灸で施術可能な症状には様々なものがあります。
アトピー性皮膚炎は、ある程度長期の治療が必要ですが、多くの症例を集めた報告では、7~8割の方で有効だったという結果がでおり、当院ではその方法を取り入れて施術しています。
円形脱毛症については、全身治療と局所へのお灸で治療しています。範囲が狭いほど改善が早く、広くなるほど時間を要します。
魚の目は、お灸で治療をおこなっています。痛みが軽減して数回で治療が終わります。熱さを感じる対応のお灸で行いますが、皮膚科で行う方法に比べて苦痛が軽いという感想を仰る方が多いです。
他の症状も鍼灸で対応できる場合がありますので、ご相談下さい。
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なお、このページでは症状別にご説明しましたが、鍼灸は
- 「急な〇〇で困った」
- 「長年、〇〇が辛い」
- 「〇〇が再発しないように予防したい」
- 「きつい仕事の疲れをとりたい」
といった、みなさまの様々な状況に応じて対応できます。
別ページで切り口を変えて解説しますので、ご覧下さい。