様々な症状に対する鍼灸

五十肩による右肩の痛みで悩む50代男性が鍼灸を受けた

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今泉洋平|はりきゅう今泉治療院 院長|鍼灸師(国家資格はり師・きゆう師を保有)

「痛そう」「危なそう」と敬遠されがちな鍼灸について、きちんと知ってもらう記事を執筆。|2009年に治療院を開業して15年目。腰痛・肩こりから、難聴や妊活のサポートまでハリ治療で幅広く対応。再発予防のセルフケアレッスンも。

これは50代後半の男性が肩の痛みで悩んでおり、鍼灸治療を受けた話です。

五十肩で右肩が痛い

ジャー
洗面台にお湯がたまってきたので、レバーを下げてお湯を止めた。左手でポンプを押して、右てのひらに洗顔石鹸の泡をのせた。両手を合わせて左右のてのひら全体に泡をなじませ、両手で顔を覆って、顔を洗う。

今日もやっぱり痛いな。

1か月前くらいから、右肩が痛い。顔を洗うだけでも少し疼くような痛みを感じる。

洗面台にたまったお湯で顔の泡を洗い流す。底の栓を開けてお湯を流し、もう一度お湯を溜める。たまったお湯で再び顔を濯いだ。

いつもなら両手でお湯をすくって頭にかけて、寝癖を取るのだが、今は危ない。右手を頭の位置に持ってくると右肩に強い痛みが走るからだ。もういい加減慣れてきた。左手だけでお湯をすくって髪を濡らす。片手だと時間がかかって面倒だが仕方がない。

タオルで顔と頭を拭くときも注意しなければならない。右肩に痛みが出ないようにしながらタオルで拭き終えた。

頭を乾かすために右側の壁のフックにかかったドライヤーを手に取りたいが、ここでも注意だ。右手はそこまで挙げられない。

左手でドライヤーを手に取って、脇にはさんでコードを解き、コンセントを差し込んで、右手でドライヤーを持つ。右肩があまり動かないようにドライヤーの位置はほとんど変えず、首を動かしながら温風が当たる場所を変える。

自由に動かせる左手を手櫛として使った方がやりやすい。右肩が痛くなってから、首の右側も調子が悪いので、首の動きも鈍い。

顔を洗っても頭が少しボーっとしている。今朝は右肩の痛みで朝4時頃に目が覚めて、そのあとよく眠れなかった。毎日そんな感じなので、ここのところ寝不足気味だ。

数年前には左肩に同じような痛みが出た。そのときは整形外科に通って良くなるまで結構長い期間がかかった。今回も整形外科に通っているが、早く良くなる方法があったらいいなと思っていた。

昼休みに弁当を食べ終えて、透明のケースに入ったスマホを手に取った。午前中にTさんから鍼灸をすすめられたことを思い出した。Tさんも数年前に肩が痛くなって鍼灸を受けて良くなったそうだ。

一旦眼鏡をはずして、再びスマホを手に取り、「鍼灸 今泉」と入れて検索した。表示された場所をみると、内環状線から近いので、会社帰りに寄れそうなところだ。

ホームページを開いて、どんな治療院なのか見てみる。肩の痛みのことが書いてあり、予約はネットで受付しているようだ。ネット予約のページを開くと、〇と×で予約状況が示されている。

あさって金曜日の夕方6時半なら行けそうなので、さっそくネットで予約を入れた。すぐにGmailの通知が鳴り、予約完了メールが届いた。

鍼灸院を訪れた

予約当日の仕事帰り、治療院の近くまで来たが、予約した6時半まで時間がある。内環状線沿いのセブンイレブンに立ち寄って時間を潰し、6時25分頃に治療院へ到着した。

ネットで見ていた通り建物は普通の住宅だ。外に治療院名の看板があったのですぐにわかった。玄関前の駐車スペースに前から車を入れた。呼び鈴を押すとチャイムの音が聞こえて、先生が出迎えてくれた。

中に入るとまず、症状などの必要事項を用紙に書き入れた。先生は用紙に書いた内容をみながら症状について尋ね、私はそれに対して答えた。

「では、肩の動きを確認してみます」
腕を挙げたり、外へ広げたり、背中の方へ回したり、肩の様々な動作を行い、動く範囲と痛みを確認した。

その次に、腰や股関節、太ももの動く範囲も確認した。
先生が言うには、下半身は体を支える土台なので、下半身の動きが悪くなると、姿勢に影響して肩に負担がかかるらしい。

「では、まず仰向けでハリ治療をしていきます。」
促されてベッドへ仰向けになった。

仰向けでは、すね、太もも、腕、肩のツボにハリを施した。
「太ももの筋肉が固いので、ここの筋肉を柔らかくすると、姿勢が改善して肩の負担が軽減されます」と説明してくれた。

その仕組みはよく分からないが、何かつながっているんだなと感じた。

肩のツボのハリには電気も流した。トントントンという刺激を感じたが痛みは全くなかった。
「このまま10分間待ちます」

ハリに流れる電気を感じながら10分間待つのは、なんか落ち着くというかリラックスするような感じで、少し眠くなった。

ピピピピピピピ
タイマーが鳴っている。

「電気を止めて、ハリを全部取りますね」
10分間経ったようだ。先生がハリを全部取り除いた。

「肩の痛みでうつ伏せはきつそうなので、今日は横向きで治療します。右が上になるように、横向きでお願いします。」
肩の痛みに気を付けながら、寝返りを打つように体を回して、右上の横向きになった。

横向きでは、首、肩、肩甲骨、背中、腰、股関節に対して、順番にハリを施していった。
「ハリでズーンと重い刺激感が出る場所は筋肉が固くなっています。ズーンと感じたほうがハリの効果が高いです。」
と先生から説明された。

実際に、肩周りや股関節のハリはズーンという刺激を感じて、しばらく余韻のように残っていた。
肩と肩甲骨のハリには電気も流した。

トントントンという一定リズムの刺激を感じて、硬い部位がほぐれていく気がした。
ハリを刺したときに感じたズーンという重い刺激感は、徐々に薄らいでいった。

仰向けと同じように、そのまま10分間待った。
タイマーが鳴ると先生が電気を止めて、ハリを全て取り除いた。

「では、起きていただいて、動きを確認してみます。五十肩は1回の治療で動きが変わることはあまりないんですが、一応確認してみましょう。」

「まず、前から腕を挙げてみて下さい。どうでしょうか。」

前に上げていくときの途中の感じは、最初よりややスムーズな気がする。上まで上がらずに止まってしまうが、少しだけ上がる角度が上がった気がする。
「ちょっと上に上がりやすい気がします」

順々に動きを確認してくと、前から挙げる動きと、外に開く動きの2種類は、最初よりわずかに動く角度が広がっていた。

その後、五十肩で鍼灸治療を受けるペースについて先生から説明があった。
「夜寝ているときに痛むのは、週2回くらいのペースで4~5回治療すると、だいぶ楽になる方が多いです。夜が楽になったら週1回くらいのペースにして、だいたい合計10回くらいで痛みが良くなって治療終了になります。」

1回の治療で、動きが少し良くなったので、効きそうな気がした。鍼灸をしばらく続けてみよう。

鍼灸治療を続けて、3回目に・・・

その後、週に2回くらいのペースで通った。

3回目のとき、肩甲骨の裏側のツボに対して、強く響くようなハリをした後、劇的に動きが良くなって楽になった。
先生も「ここにハリをすると、症状が大きく改善する人が多い」と言っていた。
治療後に動きを確認して、明らかに腕が挙がりやすくなり、痛みも半分くらいまで軽くなった。

この3回目の治療を境にして、日常生活でも痛みを感じる回数が少なくなった。朝洗面台で寝癖を直すとき、左右の手ですくったお湯を頭にかけられるようになった。ドライヤーも右手で持って、ある程度動かせる。夜痛みで目を覚ますこともほとんどなくなり、今は寝不足もない。

まだ腕を上まで挙げようとすると少し痛みがあって、左よりは動きが小さい。忘れて右手を使うと痛いことがあるので、もう少し通うつもりだ。

毎回「股関節・腰・太ももも柔らかくした方が、肩の負担が減って治りやすい」と言って、腰回りにもハリをしてくれる。腰も非常に軽いので快適だ。

五十肩の鍼灸について、公式サイトでは下記の内容でご説明しています。ご覧ください。

・四十肩・五十肩の痛みがハリで良くなるのはなぜ?
・どんなハリ治療をする?
・ハリ治療何回で良くなる?
・ハリを利用する場合、いつ・どんなタイミングが良いですか?
・当院のおすすめメニュー

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「痛そう」「危なそう」と敬遠されがちな鍼灸について、きちんと知ってもらう記事を執筆。|2009年に治療院を開業して15年目。腰痛・肩こりから、難聴や妊活のサポートまでハリ治療で幅広く対応。再発予防のセルフケアレッスンも。

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