様々な症状に対する鍼灸

「坐骨神経痛で仕事中につらい」と困っていた30代男性が、鍼灸を5回受けたら改善した話

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今泉洋平|はりきゅう今泉治療院 院長|鍼灸師(国家資格はり師・きゆう師を保有)

「痛そう」「危なそう」と敬遠されがちな鍼灸について、きちんと知ってもらう記事を執筆。|2009年に治療院を開業して15年目。腰痛・肩こりから、難聴や妊活のサポートまでハリ治療で幅広く対応。再発予防のセルフケアレッスンも。

椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛がなかなか改善せず困っていた30代後半の男性が、鍼灸で良くなったお話です。

椎間板ヘルニアの症状が、ここ1ヶ月変わらない

9月に腰から右ふくらはぎにかけて強い痛みとシビレを感じて、地元○○(中通り北部)の総合病院を受診したところ、「椎間板ヘルニア」と診断を受けた。

その後4か月間くらいは、徐々に改善してきてだいぶ良くなった。
しかし、ここ1ヶ月ほどは症状が変わっていない。症状の改善が止まってしまったようだ。

今は右のお尻から太もも裏側に痛みがあり、ふくらはぎにシビレを感じる。立ちっぱなしや歩いていると10分くらいで痛みがつらくなってしまう。

私の仕事は、製造業で立ち仕事だ。工場内を歩いて動き回ることもある。仕事中に立っていて右のお尻と太ももはすぐに痛くなる。仕事中はずっと気になりっぱなしだ。

1か月前くらいから、症状の改善が止まってしまったようで、今の症状は少し前と比べてほとんど変わっていない。仕事にも支障になっているので、いつになったら良くなるのか、不安を感じている。早く痛みが出る前の状態に戻りたい。

「腰が痛いんでしたっけ?」
職場で同僚のMさんから声をかけられた。

「はい。お尻から太ももが痛いんです。ヘルニアなんですよ。」

「ヘルニア痛いですよね。私もやったことがあります。そのあと何年もしびれが残っていたんですけど、腰痛で鍼灸院に行ったときに、ヘルニアも一緒に治療してもらって、しびれが取れたんですよ。Nさんも鍼灸受けてみます?」

「え?そうですね・・・。」
鍼灸は受けたことがないけど、早く良くなるなら受けてみたい。

「試してみようかな。」
鍼灸を試してみることにした。

昼食後、透明のカバーが付いたスマホを取り出した。Mさんが教えてくれた鍼灸院を検索したところ、ネットで予約できるようだ。

スケジュール表のような形式で、〇と×が予約状況を表している。休みの土曜日は午後が全て〇になっていたので、さっそく予約を入れた。スマホをしまおうとしたときに、通知音が鳴った。ロック画面には予約完了メールのタイトルが表示されていた。

鍼灸院を訪れた

予約した土曜日の午後、バイパスを通って治療院へ向かっている。長年バイパスと呼んでいるが、何年か前に国道4号になったらしい。車が多いのは土曜日だからだろう。

そろそろわき道に入る曲がり角があるはずだ。左上方にイエローハットの看板が見えて、下に地下歩道の入口がある。その角を左折した。曲がるとすぐにモスバーガーがあり、道路に面した駐車場はすべて埋まっている。ガラス越しに店内の様子が目に入り、中も混んでいるような雰囲気だった。

治療院が近づいてきているのではないかと思って、車の速度をやや落としながら進んだ。先の方で看板らしきものが掛かっている住宅があるが、斜めからは看板を読み取れない。近づいていくと「はりきゅう今泉治療院」と書かれている。ここだ。

治療院の前で車を停止させて時計をみた。ほぼ予約時刻ぴったりだ。玄関前に駐車スペースがあるが、道路の進行方向に対して軽く鋭角になるので、前進駐車は難しそうだ。

ルームミラーをみると後ろから1台車が近づいてくる。左手を伸ばしてハザートのボタンを押した。車が通りすぎると一旦少し前進して向きを左に傾け、ハンドルを右に切って、バックで駐車場へ車を入れた。

車を降りて、玄関の段差を上がり、左側にある呼び鈴を押した。すぐに「はーい」と声が聞こえて、玄関の引き戸が横に動いた。昨日検索したときにホームページで見た先生が現れた。

中に案内されて、靴を脱いでスリッパに履き替えた。右の方へまっすぐ廊下が伸びている。入口が開いている目の前の部屋へ誘導されて中へ入った。

「こちらの方へ腰掛けて、書いていただけますか」
こげ茶のテーブルの前に置かれている木製の丸椅子に腰かけた。A4用紙が黒いバインダーにはさまれており、その上にボールペンが置かれている。右手にボールペンを取って、記載欄にしたがって内容を埋めていった。

「書き終わりました。」
「はい、ありがとうございます。」
バインダーにボールペンを載せて一緒に渡した。

「じゃあお話を伺いますので、ベッドの方に腰かけてもらえますか」
ちょうど椅子と同じくらいの高さのベッドに腰を掛けた。右側に荷物用のかごがあったので、スマホと財布を入れた。

先生は受け取った用紙に視線を落としながら、丸椅子の位置をずらして座った。胸ポケットから右手で赤いボールペンを取り出して。こちらに視線を向けた。

先ほど書いた内容について、先生から詳しく質問をされて、私がそれに対して返答した。
その後、腰の動きを確認したり、仰向けで足を動かしたりして、体の状態を確認した。

先生の説明によると、椎間板ヘルニアは、発症直後からハリ治療を行った場合、良くなるまで10回以上施術が必要なことが多いそうだ。私の場合は4か月経っていて、ある程度良くなっているので、5回くらいで良くなるだろうということだ。

仰向けでハリ治療を開始

鍼灸治療は、はじめは仰向けになり、スネから太もものツボにハリを行い、太もものハリには電気も流した。ハリ治療は初めてで、痛くないか不安だったが、さほど気にならなかった。

ハリと電気をそのままにした状態で10分間待った。電気もとくに痛いものではなく、トントントンという軽い刺激感が一定のリズムを刻んだ。
タイマーの音が鳴り10分間経ったことを知らせると、、先生が全てハリを取り除いた。

「普通、腰の治療はうつ伏せで行いますが、立って神経痛の痛みが出る人は、うつ伏せになると悪化することがあるので、最初は横向きで治療しますね。」
先生の言う通りで、普段うつ伏せになると、すぐに痛みとシビレが出てきてしまう。

仰向けの状態から左へ寝返りを打つように回り、痛みのある右を上にして横向きに寝た。
右側の腰・お尻・太もも・ふくらはぎにハリを行って、ハリに電気も流した。
仰向けと同じように10分間そのままの状態で待ち、10分経過するとすべてのハリが取り除かれた。

「では、立っていただいて、腰の動きを確認してみます。前にお辞儀をして、後ろに反らして・・・」

腰の重さは軽くなりスムーズに動く。動く範囲はどの方向も少し大きくなっているような感じがある。動きによって感じる痛みとシビレは「ちょっと軽いかもしれない」というくらいの変化だった。

先生が言うには「ヘルニアなので、ハリの直後に痛みやシビレが変わることは、あまりないと思います。回数を重ねていって良くなっていきます」ということだ。

症状自体は1回で大きく変わっていないとはいえ、腰の動きは軽くなった。また、ハリ治療5回という数字を示してもらったので、なんとなく気分も軽くなった。しばらく通ってみたいという前向きな気持ちになれた。

* * *

その後、週1回のペースで鍼灸治療を受けた。

1回ごとに劇的な効果を感じたわけではないが、3回目の治療を受けたころには、仕事中に立ったり歩いたりしても、20分くらいは平気になっていた。

4回目の治療を受ける時、日常的にうつ伏せ姿勢でも問題なくなっていたので、ハリ治療もうつ伏せで行った。5回目の治療を受けるときには、仕事中に痛みやシビレを感じることは全く無くなった。

合計5回のハリ治療で、ほぼすっきり症状が取れた。

はじめは仕事中に10分も続けて立てなかったのに、今はいくらでも立ったり歩いたりしていられる。いつになったら症状が良くなるか不安だったが、もう良くなってしまったので、全く不安がない。

鍼灸を受けたのは初めてだったが、受けてみて良かったと思っている。

なお、お尻~足の神経痛に対する鍼灸治療について、

・ハリ治療が効くのはなぜ?
・どんなハリ治療をするの?
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・ハリ治療を受ける場合、いつ・どんなタイミングが良いですか?
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今泉洋平|はりきゅう今泉治療院 院長|鍼灸師(国家資格はり師・きゆう師を保有)

「痛そう」「危なそう」と敬遠されがちな鍼灸について、きちんと知ってもらう記事を執筆。|2009年に治療院を開業して15年目。腰痛・肩こりから、難聴や妊活のサポートまでハリ治療で幅広く対応。再発予防のセルフケアレッスンも。

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