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はじめての鍼灸

「お灸は熱そうで怖い」|お灸の種類を知れば、初めてでも怖くない。

89ima

【更新履歴】
2023年6月11日 読みにくい漢字をひらがなに置き換えました。「艾」→「もぐさ」
2023年11月17日 このページを鍼灸ノートからここへ移動しました。

様々な種類のお灸

鍼灸の「灸」のお話です。鍼灸を受けた経験のない人向けの情報です。

最近の鍼灸院は、灸を治療で行うことは非常に少なくなっています。

灸は、物としても方法としても、希なものが多くなっていますが、それらも含めてご説明します。

お灸で使うもぐさの原材料は?|誰もが知っているあの植物

お灸を行う際には「もぐさ」という材料を使います。

さて、もぐさは何から作られているか知っていますか?

もぐさはヨモギからできています。蓬を乾燥させて、様々な加工を経てもぐさになります。

もぐさは、お灸の使い方によって、いくつもの等級にわけられています。

最も等級が高いもぐさは、葉っぱなどの邪魔な部分は取り除いてあり、

もぐさ

このような姿をしています。

これは、ヨモギのどこの部位でできているかご存知でしょうか?

ヨモギの葉っぱには、裏側に細かい毛のようなものが生えていますが、その毛だけを集めたのが写真のもぐさです。

もぐさを皮膚の上で燃やすお灸|今はほとんどやらないので、怖がらないで

お灸を皮膚の上に直接置いて使う方法についてご説明します。

透熱灸(とうねつきゅう)

我々鍼灸師にとって、お灸の使い方の最も基本的な方法は、もぐさを皮膚に置いて火をつける「透熱灸」です。

透熱灸で使うもぐさは、余分なものを取り除いてあり、火をつけたときの火力は弱いです。

もぐさを指先で数ミリ大の円錐形に整え、皮膚の上に乗せて先端に火を付けます。

艾を小さく丸めて皮膚に乗せている

透熱灸は通常、火をつけたらそのまま燃え尽きるのを待つのですが、火傷しやすいので、現在はあまりこの方法は行われていません

八分灸(はちぶきゅう)|熱さを緩和するお灸のやり方

では、どうしているのかというと、途中で指で押しつぶして火を消します。円錐状の8分目くらいで消すので「八分灸」といいます。

八分灸の場合は、一瞬だけ「チッ」という感じの熱さを感じます。火傷にはなりません。

このお灸を受ける患者さんは「一瞬ピリッとしますね」という感じです。

「熱い~、怖い~」と騒ぐようなものではありません。

灸熱緩和紙|アルミ箔で熱さを緩和する

または、灸熱緩和紙というアルミ箔でできたシールを皮膚ともぐさの間に挟んだ状態でお灸を行います。

灸熱緩和紙

これを使うと灸の熱が周りに分散されて、熱さが緩和され火傷も生じません。

灸熱緩和紙を皮膚に貼り付けて、艾を載せている

[originalsc]

もぐさが台座などの上に乗っているタイプ

もぐさが台座に乗っているタイプのお灸についてご説明します。

お灸と皮膚の間を、物で隔てるので「隔物灸」といいます。

温筒灸|一般の方にもポピュラー

温筒灸

隔物灸で一番ポピュラーなものが写真のタイプです。

一般の方にとってお灸と言えば、これかもしれませんね。

商品としては「せんねん灸」が最も有名ですが、同じタイプの製品が他社からも販売されています。

台座の上にもぐさが乗っていて、台座の下はシール面になっています。

火を付けてシールを剥がし、皮膚に乗せて使います。シールで皮膚に付着するので、落ちる心配もありません。

皮膚に温筒灸を載せている

写真のタイプは、円盤状の台座にもぐさが載っているように見えますが、実は台座の中心部に穴が空いていて、もぐさが燃えた際の輻射熱が皮膚に伝わります。

灸の火力はいくつか種類があり、一番弱いものであればほとんど火傷の心配もありません。

生姜灸|昔家庭で行ったお灸はこれ

スライスした生姜にもぐさを載せて使う「生姜灸」という方法があります。

昔、家庭でお灸を行っていた時代は、生姜灸のような方法が行われていたらしいです。

他にも、ニンニクを使う「ニンニク灸」、味噌を使う「味噌灸」など、様々な方法があります。

食品を使うと、おいしそうな香ばしい匂いが漂います。

その他のお灸

棒灸|気持ちいいけど、煙が多いのであまり行われない

棒灸

棒灸は、もぐさを固く棒状にして周囲を紙で巻いたものです。

先端に火を付けて、皮膚から数センチ程度に近づけて使います。

輻射熱でたいへん気持ちいいですが、煙が多く出るので、これを使う治療院は少ないです。

灸頭鍼(きゅうとうしん)|気持ちいい治療だが、煙が多いので廃れつつある

灸頭鍼は、刺した鍼の頭にお灸を載せる方法です。

灸頭鍼

鍼に載せるもぐさは、予め灸頭針用として適度な大きさにまとめてある製品や、専用の金具を使って載せるものなど様々です。

私の個人的な好みでは、上でご紹介した棒灸をカッターナイフで2センチ長くらいに切って使う灸頭針です。火力が強くてとても気持ちいいです。

一見、お灸の熱が鍼を伝わりそうに見えますが、鍼が細いので伝導熱は皮膚までは届きません。

皮膚に伝わるのは、お灸の輻射熱です。

灸頭針も煙が多いので、あまり出番はありません。当院では逆子治療のときだけ使います。

電気を熱源としたお灸|煙がなく使いやすい。多くの鍼灸院が行う方法。

火を使わずに、電気を熱源にしているお灸もあります。

煙がでない、温度が安定している、後始末が不要など、非常に便利です。

多くの鍼灸院で使われています。

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